「23」から「20」で効果アップ!? 新しくなった高齢者肺炎球菌ワクチンの選び方と注意点

「今年、肺炎球菌ワクチンの定期接種の対象になる」

「自治体から案内が届いたけれど、昔と何が変わったの?」

高齢者の健康を守るうえで非常に重要な「肺炎球菌ワクチン」ですが、実は2026年4月から公費助成(定期接種)の制度が全面的に新しくなりました [1.1.2][1.1.5]。

「ワクチンの種類が変わったと聞いたけれど、どう選べばいいの?」「前のワクチンと何が違うの?」と疑問に思っている方に向けて、大切なポイントを分かりやすく解説します。

なぜ今、肺炎球菌ワクチンが重要なのか?

日本の超高齢社会において、肺炎は命に関わる重大な病気の一つです。特に高齢者が肺炎にかかると重症化しやすく、その原因の約3割を占めるのが「肺炎球菌」という細菌です [1.2.1][1.2.2]。

ワクチンを事前に接種しておくことで、万が一感染した場合でも重症化(敗血症や髄膜炎など)を防ぐ効果(約40%〜70%の予防効果)が期待できます [1.2.3][1.2.5]。

2026年4月からの変更点:「23価」から新しい「20価」へ

今回の最も大きなニュースは、定期接種で使われるワクチンの種類が切り替わったことです。

これまでは「23価(ニューモバックス)」という種類が使われていましたが、2026年4月からは全面的に「20価(プレベナー20)」という新しいワクチンに変更されました [1.1.2][1.1.5]。

「数字が23から20に減ったなら、効果も減ったのでは?」と感じるかもしれませんが、実はワクチンの仕組み自体が大幅に進化(パワーアップ)しています。

項目従来のワクチン(23価)新しいワクチン(20価)
ワクチンの仕組み多くの種類に対応できるが、免疫が長持ちしにくい免疫が強くつき、効果が長持ちする「結合型」
再接種の必要性5年ごとに打ち直しが必要だった原則、一生に1回で免疫が維持される [1.4.1]

対応する細菌の種類(価数)はわずかに減ったものの、仕組みが変わったことで「一度打てば効果がしっかり長持ちする」という、大きなメリットが生まれました [1.4.1]。

知っておきたい専門家の視点:あえて「古いワクチン」を選ぶ選択肢も?

今回の切り替えは国の方針ですが、実は医療現場や専門家の間では、この変更に対して慎重な意見や議論も存在します。

新しいワクチンは「効果が長持ちする」のが強みですが、対応できる細菌のタイプ(種類)が23から20へと3つ減ってしまいました。

そのため、「新しくなって失われた3つのタイプ」による肺炎が流行した場合、新しいワクチンでは防げないという懸念があります。専門家の中には、「対応できる種類の多さ」を重視して、自費(任意接種)であっても従来の23価ワクチンを選ぶ、または両方を組み合わせて打つ方が良いのではないかという見解を持つ医師もいます。

どちらが自身の体質や生活環境(持病の有無など)に合っているかは、個人の状況によって異なります。自治体から届いた案内を持って、かかりつけ医の先生に直接相談し、納得のいく選択をすることが大切です。

今回の「公費(定期接種)」の対象になる人

公費(自治体の補助)によって自己負担を抑えて受けられるのは、以下の方々です。

  1. 今年度(2026年度)に「65歳」になる方(昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日生まれの方)
  2. 60歳〜64歳で、心臓・腎臓・呼吸器などに重い持病(障がい1級程度)がある方

原則として「65歳になる年の1年間」だけがチャンスです。時期を過ぎると全額自己負担(任意接種)になってしまうため、案内(予診票やクーポン)が届いたら早めに検討することをおすすめします。

費用は自治体によって異なりますが、公費助成があるため無料〜3,000円程度で受けられます。

⚠️ 一番の注意点:過去に打ったことがある人は対象外

肺炎球菌ワクチンは「一生に一度の定期接種」というルールがあります。そのため、過去に一度でも23価(旧ワクチン)を公費・自費問わず打ったことがある方は、今回の公費接種の対象外になります [1.1.2]。非常に誤解されやすいポイントですので、ご自身の接種歴をあらかじめ確認しておきましょう。

まとめ:正しい知識を持って医療機関に相談を

制度が変わったばかりで、お医者さんの間でも様々な意見があるテーマだからこそ、届いた案面をそのまま放置せず、まずは一度かかりつけ医に相談してみることが健康維持への第一歩です。

ご自身のため、あるいは大切なご家族のために、新しいワクチンの特徴を正しく理解して役立ててくださいね。


【引用元】
[1.1.2] 厚生労働省:第21回厚生科学審議会予防接種・ワクチン部会 資料(2025-2026年改訂定期接種方針)
[1.1.5] 国立感染症研究所:高齢者に対する肺炎球菌定期接種の変更について(2026年4月施行適用)
[1.2.1] 日本呼吸器学会:成人市中肺炎診療ガイドライン
[1.2.2] 厚生労働省:人口動態統計(死因順位における肺炎の割合)
[1.2.3] 臨床試験データ:高齢者における肺炎球菌ワクチンの重症化予防効果に関するメタ解析
[1.2.5] 日本感染症学会:一般向け感染症解説・肺炎球菌感染症
[1.4.1] 各種臨床試験報告書:沈降20価肺炎球菌結合型ワクチンの免疫原性および長期持続性に関する検討

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